ナットウキナーゼの血栓を溶かす仕組みを説明する前に、血栓がどのようなもので、どのように作られるのかを、もう少し丁寧にみておきましょう。

血栓が作られる仕組みは、ナットウキナーゼの働きを理解する上でこれからも大切な基礎知識になります。少し難しい言葉も出てきますが、その言葉を覚えていただくことが目的ではありませんので気楽に読み進めて下さい。

血栓に関わる血球や物質

  • 赤血球・白血球・血小板
  • コラーゲン繊維
  • フィブリノーゲン
  • トロンビン
  • フィブリン

血栓が作られる仕組み

私たちが怪我をすると、出血するとともに引きちぎられた組織からコラーゲン繊維が露出します。血液中の血小板はコラーゲン繊維を中心にして集まり、フィブリノーゲンという物質を出します。

フィブリノーゲンは血液中のトロンビンの働きで、水溶性のフィブリノーゲンから不溶性のフィブリンに変化して複雑に絡み合った網ができます。

血管の外側と内側に形成されたフィブリンの網目には、血液中の赤血球や白血球が絡み取られます。そして、フィブリンの網は時間とともに縮まり、傷口を血管の内側と外側から完全に塞ぐことで出血は止まります。

また血栓は、怪我と関係なく形成される場合もあります。動脈硬化で傷ついた血管の内側には、怪我をした時と同じようにコラーゲン繊維が露出し、血栓が形成されます。またエコノミークラス症候群のように、長時間同じ姿勢で過ごしたり、体内の水分が不足したりすることでも血栓ができてしまいます。

このような血栓が血液の流れに乗って体内のあちらこちらに運ばれると、血管が詰まって、場合によっては肺塞栓症や脳梗塞のような命に関わる病気につながることもあります。血栓のでき方と血栓を溶かすことがいかに大切であるかはご理解いただけたと思います。

血栓溶解への多様な関わり方

ナットウキナーゼの主な働き

ナットウキナーゼのもっとも重要な働きは、血栓の骨格とも言えるフィブリンそのものを溶かし、血栓をバラバラにすることです。しかし、ナットウキナーゼの働きはそれほど単純ではありません。

ナットウキナーゼがかかわる2つのフィブリン分解酵素

体内でフィブリンを溶かす酵素には、ウロキナーゼとプラスミンもあります。これらの酵素はナットウキナーゼと協働してフィブリンを溶かしますが、血液の中にウロキナーゼやプラスミンがあるわけではありません。

もともと血液の中にあるのは、それら2つの酵素の材料であるプロウロキナーゼとプラスミノーゲンです。

ウロキナーゼ

ウロキナーゼはナットウキナーゼがプロウロキナーゼを活性化することで生み出されます。

プラスミン

プラスミンはウロキナーゼほど単純ではありません。プラスミノーゲンはプラスミノーゲンアクチベーターという活性化因子の働きでプラスミンに変身します。ナットウキナーゼはこの活性化因子を増強することでプラスミンと関わっているのです。

ナットウキナーゼのもう1つの働き

人体には、ある反応が進んでいる時、それ以上に反応が進みすぎないようにブレーキかけるしくみがあります。相反する働きがバランスをとることで、私たちの健康が保たれているわけです。

たとえば血栓を溶かすしくみの中では、プラスミノーゲンアクチベーターが働き過ぎた場合には、PAI-1という物質がそれにブレーキをかけます。具体的には、PAI-1があると血栓は溶けにくくなるのです。

ナットウキナーゼは、このPAI-1を分解するという働きもあるのです。

薬に匹敵するとも言われる血栓溶解能力

ナットウキナーゼはフィブリン分解の主要エージェントとして働いているばかりでなく、ウロキナーゼやプラスミンなどのフィブリン分解酵素の合成にも関わったり、上に書いたPAI-1分解にも関わったりしながら血栓溶解に効果的に働いているのです。